昨年ノーベル経済学賞を受賞したクラウディア・ゴールディン教授の『なぜ男女の賃金に格差があるのか』が、貴重な一冊になりました。
アメリカ経済の歴史的変化のデータとともに男女間の賃金格差が生じる原因について具体的な事例でわかりやすく解き明かされています。
「経済の変化の中で女性についての研究は興味深い」という受賞の弁にあるように、過去100年のアメリカの大卒女性を世代別に5つのグループに分けて、仕事、キャリア、家庭への考え方や行動の変化を明らかにしています。また、出産や育児などによるキャリアの中断「チャイルド・ペナルティ」や差別によって格差が生まれることなど様々な視点からの考察もとても興味深いものでした。
「男性は家庭を持ちながら、キャリアアップすることができる。それは、女性が家族のよりよい幸せのために時間を提供しようと、キャリアを置き去りにするからだ。どちらにも奪われるものがあるー男子は家族との時間、女性はキャリアである」、これまで漠然と考えていたことが腑に落ちるような思いでした。
日本では法の整備を含め状況が変わったといわれるものの、22.7%という賃金格差はG7の中でも最も大きく、ゴールディン教授はあらゆる分野で指導的立場にある男性たちの意識改革と家庭への参画が必要であるとも述べています。
まどかぴあ男女平等推進センターで市民の方々と学び続けてきた課題を振り返りながらページをめくっています。