私はブックトークや読み聞かせの時に日本の昔話の語りをすることがあります。
特に、福岡の昔話には知っている地名や方言などが出てくるので、聞き手の子ども達は身近さを感じながらお話の世界に入ってきてくれます。
大野城市には「ぼっかけ」という郷土料理が伝わっています。鶏ガラ出汁に鶏肉を入れて煮て、甘めの醤油で味をつけ、それをご飯にぶっかけて食べることから「ぼっかけ」と呼ばれているそうです。学校給食のメニューにもなっているので、大野城市の子ども達にとっては身近なメニューの1つです。
私の住んでいる地区に生まれた頃から住んでいる方々からもこんな話を聞きました。
「子どもの頃、家にお客さんが来ると、飼っていた鶏を絞めて、その鶏がらや肉を使ってぼっかけを作っていた。絞めた鶏の羽をむしるのが子どもの役割で、嫌だった。でもたまに食べるぼっかけは楽しみの1つだった。」
今回、紹介する絵本『あひる』にも、福岡県の昔の暮らしが描かれており、同じような出来事が出てきます。夕飯に食べたお肉はあのあひるじゃなかった、とほっとする弟と、本当のことを察しているお姉ちゃん、子どもたちの気持ちを気遣うお母さんとおばあちゃん、それぞれの顔がとても印象的です。
『あひる』は、小学校で昔の生活について学んだ高学年の子どもたちに対して読むことが多いです。調べ学習などで学んだことを同年代の登場人物が経験しているのを見て、より身近に感じてもらえるようです。
ぜひ、皆さんも『あひる』を読んで、地元の風習や昔の日常を感じてみてください。