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大野城市

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善一田古墳群(ぜんいちだこふんぐん)・善一田古墳公園

更新日:2022年5月23日

開拓者たちの古墳群~善一田古墳群の概要~

6世紀後半~7世紀にかけての約100年間、4世代前後にわたる複数家族の古墳群です。総数30基ほどの古墳があり、狭い範囲に密集していることから「群集墳(ぐんしゅうふん)」と呼んでいます。
鉄器(てっき)づくりや朝鮮半島との交流に関わる人々の古墳群ということが最大の特徴です。6世紀中頃に乙金(おとがな)山麓(さんろく)に進出した開拓者(かいたくしゃ)集団やその子孫が埋葬(まいそう)されました。

善一田古墳公園の画像調査中の善一田古墳公園(平成26年撮影)

古墳の分布図の画像古墳の分布図

激動の時代~善一田古墳群がつくられた時代背景~

古墳群が造られた時代は、聖徳太子(しょうとくたいし)が活躍したり、『西遊記(さいゆうき)』に登場する三蔵法師(さんぞうほうし)が旅をしたのと同じ頃です。中国では「唐(とう)」が成立し、朝鮮半島では高句麗(こうくり)・新羅(しらぎ)・百済(くだら)の三国(さんごく)の争いが激化するなど、東アジアは激動(げきどう)の時代を迎えていました。

大野城のお膝元~善一田古墳群の位置~

福岡平野東南部の乙金山麓にあります。この地域は古代の御笠郡(みかさぐん)「大野郷(おおのごう)」にあたる可能性があり、今の大野城のルーツともいえます。
乙金山麓には善一田古墳群を含めて100基以上の古墳があり、これら全体を「乙金古墳群」と呼んでいます。また、大きな集落(しゅうらく)の跡(薬師(やくし)の森(もり)遺跡)や須恵器(すえき)の窯跡(かまあと)(乙金窯跡)も見つかっています。665年に築造された古代山城「大野城」にも近く、この地で暮らした人々は大野城築造に関わった可能性があります。

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善一田古墳群の位置

名もなき英雄の古墳~18号墳の概要~

善一田古墳群の中で、最初に造られたのが18号墳です。6世紀後半(古墳時代後期)に築造された円墳(えんぷん)で、東西26m・南北22mあり、善一田古墳群の中では最も大きな古墳です。古墳内部には石を積み上げて造った部屋(横穴式(よこあなしき)石室(せきしつ))があり、遺体(いたい)を安置(あんち)する部屋(玄室(げんしつ))の高さは3.5mもあります。
石室の中からは鉄の刀(かたな)や弓矢(ゆみや)、ガラス玉(だま)などのアクセサリーや乗馬(じょうば)のための道具である「馬具(ばぐ)」のほか、鍛冶具(かじぐ)(鉄を加工するための道具)など豊富な副葬品(ふくそうひん)が出土しました。このような副葬品の内容や古墳の大きさから、18号墳に葬(ほうむ)られた人は地域を代表するリーダーであったと考えられます。

18号墳全景の画像
18号墳全景

18号墳玄室の画像
18号墳玄室

18号墳副葬品

馬具(鐙(あぶみ))の画像
馬具(鐙(あぶみ))

馬具(轡(くつわ))の画像
馬具(轡(くつわ))

刀(鍔(つば))の画像
刀(鍔(つば))

鍛冶具(鉄鉗(かなはし))の画像
鍛冶具(鉄鉗(かなはし))

鉄鏃(てつぞく)の画像
鉄鏃(てつぞく)

盛矢具(せいしぐ)の画像
盛矢具(せいしぐ)

装身具の画像
装身具

須恵器の画像
須恵器

出土品で探る善一田古墳群の特徴

【新羅土器(しらぎどき)(18号墳南谷部出土)】  
朝鮮半島の新羅で作られた土器で、表面をスタンプで装飾することが特徴です。液体や粉末状のものを運ぶための容器としてはるばる海を越えて持ち込まれたもので、朝鮮半島との交流を物語ります。

新羅土器の画像
新羅土器
7世紀前後の朝鮮半島と善一田古墳群の画像
7世紀前後の朝鮮半島と善一田古墳群

三累環頭大刀柄頭(さんるいかんとうたちつかがしら)(26号墳出土)

刀の柄(つか)に装着(そうちゃく)する飾(かざ)りで、有力者の持ち物と考 えられます。元々は新羅の貴族(きぞく)の間で流行したも ので、国際的な交流を示す資料ともいえます。

三累環頭柄頭の画像三累環頭柄頭と装着イメージ画像
三累環頭柄頭と装着イメージ

さまざまなアクセサリー(26号墳出土)

勾玉(まがたま)・管玉(くだたま)や耳飾(みみかざ)りなど色々なアクセサリーがあります。 国内でつくられたものの他、朝鮮半島で作られたと考えられるものや西アジアからもたらされたものもあります。

装身具の画像
装身具

ヘラ書き須恵器(土坑墓(どこうぼ)出土)

土器の表面に「奈(な)」という漢字を記(しる)した土器があります。 「奈」の意味については、「地名説」「人名説」など諸説あり 結論は出ていませんが、国内最古級(7世紀前半頃)のヘラ 書き須恵器という点で重要です。

ヘラ書き須恵器の画像

ヘラ書き須恵器

出土遺物の一部については、大野城心のふるさと館で展示しています。展示期間等については下記の「このページに関する問い合わせ先」よりお問い合わせください。

善一田古墳公園の紹介

発掘調査を行った27基の古墳のうち9基を現地で保存し、公園として整備しています。
古代の雰囲気を感じながら、緑あふれる環境に包まれ、憩い・遊び・学べる空間です。

 善一田古墳公園の画像

善一田古墳公園

所在地

福岡県大野城市乙金東1丁目29 

アクセス

  • JR:南福岡駅【JR南福岡駅からは西鉄バスを利用。11番(上宇美行き)乗車、「乙金バス停」下車徒歩5分】
  • 西鉄電車:春日原駅(西鉄春日原駅からはコミュニティバス「まどか号」利用。乙金ルート・東部ルート1番バス停「イオン大野城」乗車、16番バス停「乙金東1丁目1」下車、徒歩1分)
  •  車:太宰府インターから北へ2.5km(約10分)
     駐車場有(ただし、駐車できる台数に限りがありますので、ご注意ください)

 地図の画像 地図の画像

周辺案内図

地図はドラッグ操作でスクロールします。

このページに関する問い合わせ先

地域創造部 心のふるさと館 文化財担当
電話:092-558-2206
ファクス:092-558-2207
場所:大野城心のふるさと館1階
住所:〒816-0934 福岡県大野城市曙町3-8-3

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