収納する民具「行李・長持ち」
更新日:2019年12月5日
(広報「大野城」 平成22年9月15日号掲載)
行李とは、竹や柳で編んだかぶせ蓋の箱で、衣類を入れるためのものです。
現在80歳の女性は「結婚が決まったとき、行李に入った(お茶着物)と帯を、お婿さんの家から、結納にもらいました。その行李は、まだ棚の上にとってあります。」と話します。
本来の使われ方としては、軽くて丈夫なためひもをかけて運搬の道具として用いられてきましたが、通気性が良いため、衣類の収納や身の回りの品の整理に使用されました。昭和30年代の家庭では、たんすのほかに2から3個の行李を持っていたようです。
「お茶着物」とは、結納のとき、「縁結びの帯」とともに新郎から贈られる着物のことです。九州の結婚の習慣として、結納の品に必ずお茶が入っています。あいさつ回りに使う「茶行李」、結納の品を近所に披露する「お茶開き」、というように「茶」がつくものが多く見受けられます。お茶は縁起をかついで、最低の品の番茶を用います。「もうこれ以上でません」という意味です。
また、近世に普及した収納具として長持ちがあります。かぶせ蓋を持つ長方形の木の箱で、蓋には錠がついていました。
早くから嫁入り道具の一つとして、嫁入り行列に際して担いで運搬されました。しかし、明治に入ると、たんすに代わっていきました。
茶行李
行李
このページに関する問い合わせ先
地域創造部 心のふるさと館 文化財担当
電話:092-558-2206
ファクス:092-558-2207
場所:大野城心のふるさと館1階
住所:〒816-0934 福岡県大野城市曙町3-8-3