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大野城市

全国に派遣された馬耕教師たち「抱持立犂」

更新日:2019年12月5日

(広報「大野城」 平成21年4月15日号掲載)

抱持立犂の写真
注:「大野城市史」から引用

皆さんは農具で「すき」というとどんな字を思い浮かべますか。おそらく「鋤」という漢字だと思います。この字は人力で土を耕すことを指します。一方、「犂」という漢字もあります。こちらは牛馬に引かせて田畑を耕す農具のことを指します。
明治時代に福岡から全国に広がった農具に「抱持立犂」があります。この農具は文字通り牛馬の力を借りるため、人力の3.5倍の仕事量をこなせました。また、深く田を掘り起こすことができることから、収穫量が増加しました。
福岡農法が全国的に注目を集めると、「抱持立犂」の使い方を教授する「馬耕教師」416人が、明治18年から27年にかけて31府県に派遣されました。
その中には、現在の大野城市出身の嶋野嘉作(しまのかさく)さん、〔山田〕高原謙二郎たかはらけんじろう)さん(〔乙金〕、染原夘平(そめはらうへい)さん〔畑詰〕などがいました。
全国的に普及した畜力深耕でしたが、抱持立犂の扱いは難しく、高い技術力を必要としました。福岡県では競犂会(きょうりかい)という抱持立犂を使って早さを競うレースを行い、技術力を高めました。
その後、抱持立犂はより扱いやすい犂へと変化していきます。現在では耕運機が簡単に土を耕してくれますが、昔の人々の知恵と工夫の賜物といえるでしょう。
注:「抱持立犂」は大野城心のふるさと館に収蔵しています。展示スケジュールについては問い合わせてください。

このページに関する問い合わせ先

地域創造部 心のふるさと館 文化財担当
電話:092-558-2206
ファクス:092-558-2207
場所:大野城心のふるさと館1階
住所:〒816-0934 福岡県大野城市曙町3-8-3

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