みそやしょうゆを作った民具「おけ・たる」
更新日:2019年12月5日
(広報「大野城」 平成21年2月15日号掲載)
昔は各家庭で冬になると、みそやしょうゆを作りました。米や麦に麹菌を付着させて麹を作り、酵母菌のついた大豆と塩を混ぜ合わせて木おけに仕込み、発酵・熟成させます。冬の寒い時期に仕込むことを、冬仕込みといいます。麹や酵母などの菌類は、気温が高いと活発に活動しますが、冬仕込みだと仕込み直後に低温でじっくり寝かせることができ、うまみが増幅します。
菌などが持つ酵素の力で発酵を促す食品を作るには、木製のおけやたるといった通気性のよい道具が重宝しました。おけとたるには、主に運搬に使用されたため、中身がこぼれないよう蓋をつけたものがたる、蓋のないものがおけといった違いがあります。また、木片のとり方にも違いがありました。正目に取ると水はしみ込みやすいがゆがみにくくおけに適し、板目に取るとしみ込みが少なくたるに適しました。
現在、プラスチック製に取って代わられたおけ・たるですが、木製の道具で作られた食品の独特の風味などが再評価され、見直されてきています。細長い板片を並べて、タガという竹の輪で閉めた容器であるおけ・たるは、タガを締めなおせば何百年と使える素晴らしい道具です。みそ・しょうゆの醸造所では、菌のたくさんついたおけなどを今でも大切に使っています。
昔は各家々でみそやしょうゆを作っていたため「手前みそ」と言う言葉が生まれました。
おけ
たる
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