御笠の森
更新日:2018年10月4日
笠が飛んだ話
御笠の森
「仲哀(ちゅうあい)天皇のお后(きさき)である神功皇后(じんぐうこうごう)が、荷持田(のとりだ)(甘木市秋月字野鳥)に住む羽白熊鷲(はじろくまわし)という豪族(ごうぞく)を従わせようとして、橿日(かしい)の宮(福岡市東区香椎)から松峡宮(まつのおのみや)(朝倉郡三輪町)へ向われていると、突然つむじ風が起こり皇后のかぶられていた笠が吹き飛ばされて、この森の木にひっかかったため、御笠の森というようになった。そして、この地の地名も御笠郡と名づけられた。」
また、神功皇后の笠が脱げたところを「笠抜」、笠の紐が高い楠の木にひっかかり神様にお願いして取っていただくために舞を奉納(ほうのう)した場所を「舞田(まいでん)」と呼ぶようになりました。今は旧小字名(こあざめい)は廃止されています。昔の地名にはいろいろな由来がありました。
御笠川の名前も、御笠の森から名づけられています。
昭和15年に撮影した御笠の森
大宰大監大伴宿禰百代が恋の歌
御笠の森の中には昭和44年に大野町が建てた大宰大監大伴宿禰百代(だざいだいげんおおとものすくねももよ)の万葉歌碑があります。
万葉集
念はぬを思ふといはば大野なる 御笠の森の神し知らさむ
この歌は、大伴宿禰百代が坂上郎女(さかのうえのいらつめ)に贈った恋の歌四首のうちの一首です。
大伴宿禰百代の歌碑
大宰大監大伴宿禰百代が梅の歌
今、太宰府の梅は梅香かぐわしく、満開に咲き誇っています。大伴宿禰百代が大宰帥大伴旅人(だざいのそちおおとものたびと)邸で開かれた梅花の宴に出席し、梅の花を題目に詠んだ歌を一首紹介します。
梅の花散らくは何処しかすがに 此の城の山に雪は降りつつ (この城は大野城のことです)
また、この他にも梅の歌があり、坂上郎女との恋を詠んでいると思われます。
ぬば玉のその夜の梅を手忘れて 折らずに来にけり思ひしものを
御笠の森については解説シート民俗No.7「大野城市の伝説1 (御笠の森)」を見てください。大野城心のふるさと館で無料で配布しています。
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