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平成20年度施政方針

 

 市議会平成20年3月定例会において、井本市長が平成20年度の施政方針を発表しました。この施政方針は、新年度の施政運営の基本姿勢及び重点施策等についての考え方を述べたものです。

はじめに
地方分権改革への認識
市政運営の基本姿勢
 (1)市民の利益に立脚した施政
 (2)都市イメージの転換
 (3)健全財政の確保
 (4)市民とともに実践する職員
新年度の重点施策
 (1)第5次総合計画の策定
 (2)コミュニティ構想の推進
 (3)行政評価制度のさらなる充実
 (4)窓口サービスの再構築
 (5)各種プランの推進
新年度の主要施策
 ○ご利益のあるコミュニティ都市を目指して、市民こそ主人公
 ○自治体仕事宣言、実力、サービス、No.1自治体が目標
 ○仕組みを変えて、時代に備える
 ○社会資本の充実と活用をはかる
予算の概要
むすび

 

■平成20年度 施政方針

はじめに

 本日、平成20年3月定例会の開会に際し、平成20年度の予算案をはじめ、諸議案の審議をお願いするにあたり、本市を取り巻く情勢を展望しながら、新たな年度の市政運営に臨む私の所信を申し上げたいと存じます。

 私は、平成17年9月の市長就任以来、今日まで「ふるさと大野城市のために、今、何をなすべきか」という愛郷と献身の思いを常に心に刻み、「市民のために全霊を傾ける」という心願に恥じないよう、市政運営にまい進してまいりました。来る平成20年度は、私が市民の皆様から市政の舵取りを託されてから、はや4年目に向う年であり、一期4年の間では、ひとつの節目として、仕上げの年であると認識しております。
 この間、私に託された「ふるさと大野城市を守り、発展させ、次の世代に引き継ぐ」という、目標達成に向けての取り組みは、組織や各種計画の策定など、ようやく基礎固めができたところです。いよいよこれからが、出揃ったプログラムを具体的に推進する段階となります。この歩みを止めることなく、確かな結果に結びつけるためには、議員各位をはじめ市民の皆様のお力添えが必要不可欠でございます。市民の力、地域の力、そして職員の力があってこそ、それが大きな推進力となって、分権時代に相応しい活気ある都市を実現できるものと考えます。
 今後とも、皆様には、市政に対するなお一層のご理解とご支援をお願い申し上げます。

地方分権改革への認識

 さて、地方分権一括法施行後の第一期分権改革は、分権のベースを作ったという意味においては一定の評価ができるものです。しかしながら、国から地方への税財源の分権化が積み残しになっていること、また、国が地方を縛る法令等の規制が依然として存続している実態等を鑑みれば、いよいよこれから、分権改革の本丸に入っていくものと認識しているところです。
 その様な中、昨年4月の地方分権改革推進法の施行で本格的にスタートした第二期分権改革では、政府内に地方分権改革推進委員会が設置され、国と地方の役割分担のあり方等について検討が進められています。昨年5月に「地方分権改革推進にあたっての基本的な考え方」が示されたのに続き、11月には、国から地方への大幅な権限移譲や税源配分の見直しなどを盛り込んだ「中間的な取りまとめ」が公表されました。
 この「中間まとめ」の中で、「地方が主役の国づくり」がビジョンとして掲げられ、その実現に向けた取り組みが示されましたが、このことは、改革の一歩として評価できます。特に、国民・住民本位の分権改革の視点から、「地方政府の確立」、「自治行政権・自治立法権・自治財政権の確立による完全自治体の実現」、「住民に身近な基礎自治体への権限移譲の推進」などの方向性が具体的に示されたことは、国と地方の関係を、上下・相互依存の関係から対等・自立の関係へ転換させ、地方分権を新たなステージへと進めるという強い意志が感じ取れるところです。
 大野城市としても、これら国の動向をただ座して待つのではなく、市民に最も近い政府として、行政サービスの実質的な決定権や必要な財源の移譲が行われることを想定し、地方自らが考え実行できる体制を整える必要があります。来るべき時に向けて、地域の自己決定・自己責任・自助努力により、個性と活力ある地域を創生するという理念のもとに、住民自治の推進や新たな分権のしくみを構築するなど、そのための準備を怠りなく整えていきたいと考えております。

市政運営の基本姿勢

 国と地方のかたちが変わろうとする今、来る平成20年度を、本市が将来ともに力強く、自立したまちであり続けるための節目の年と位置づけ、私は、次の四つの新機軸を市政運営の基本姿勢として取り組んでまいります。

(1)市民の利益に立脚した施政
 第一には、「市民の利益に立脚した施政の確立」であります。
 改めて申し述べるまでもなく、地方自治は、市民福祉の向上をはかることを最大の目的とするものであります。この市民福祉の向上とは、民間的に表現すると“顧客指向”という言葉で表せると考えます。つまり、顧客ニーズを的確かつ迅速に把握し、最適な形でサービスを提供することで、顧客満足度の向上という目的が達成されると考えています。
 また、私は、顧客、すなわち市民は、自治体にとって単なるサービスの対象というだけではなく、より密接な地方自治のパートナーでもあると認識しております。
 これからも、地方自治の本旨に基づき、市民の利益に立脚した市政を実行してまいります。

(2)都市イメージの転換
 二つには、「都市イメージの転換」です。これからの自治体運営には、地域の特性・独自性を生かした特色あるまちづくりが求められています。これまで以上に“住みたいまち”として選ばれ、“住んでよかったと思えるまち”として評価されるためには、画一的なまちづくりではなく、新しい自治の実現で都市のアイデンティティを確立しなければなりません。いわゆる、従来のイメージである‘ベッドタウン大野城’から“ライフタウン大野城”という、他市に誇れる都市イメージへの転換をはかってまいります。

(3)健全財政の確保
 三つには、自立・持続可能な健全財政の確保です。本市の財政状況は、三位一体行財政改革の影響を受けて、全国の自治体同様に地方交付税の大幅な縮減により、財政構造の弾力性を示す数値が毎年少しずつ低下する財政状況となっており、今後見込まれる扶助費を始めとした義務的経費の増加要因とあわせて、その動向を十分に注視し、計画的な財政運営を進める必要があります。
 これからも正確な現状認識にもとづく「選択と集中」、適切な将来予測にもとづく「先手(せんて)・先取(せんしゅ)の対応」を基本とした財政運営を進めることで、市民の満足度を高める“活力あるまちづくり”と市民に安心していただける“財政の健全性”の両立をはかります。

(4)市民とともに実践する職員
 四つには、「市民とともに、未来の大野城市を描き、行動、実践できる職員」の育成です。人は、聞いたことの10%、見たことの20%、議論したことの40%、行動したことの90%を覚えているという言葉があります。つまり、誰しも、聞いたこと、見たことなどは時間とともに忘れていくが、実際の“行動”で学んだことは、しっかりと経験として身につくということであります。
 本市が、自立した実行力のある自治体を目指していくためには、いかに良い制度、良い仕組みを導入しても、それを実行する職員に、「市民とともにまちを創造する」という“意志”と、行動に移す“実践力”が備わっていなければ、それらを実現することはできません。職員は、大野城市各般の事業に関わる一員としての強い自覚を持ち、常に意欲的に地域のまちづくり活動の場に参画し、市民とともに行動できるプロフェッショナルであるべきであり、私自身も、その先頭に立って行動し、実践してまいります。

新年度の重点施策

 次に、平成20年度における重点施策として位置づけ、取り組むものについて申し上げます。

(1)第5次総合計画の策定
 第1には、平成21年度を初年度とする10ヵ年計画「第5次大野城市総合計画」の策定であります。
この第5次総合計画においては、都市(まち)の将来像とまちづくりの基本方針を明らかにするとともに、大野城市が持つ歴史とこころを受け継ぎ、未来を確かなものにしていくための“新しい自治と分権のしくみ”を築くことをめざしたいと考えております。
 現在、学識経験者や市民団体の代表等からなる総合計画審議会で、めざすべき都市(まち)の将来像やまちづくりの基本的な方針を定める「基本構想」について、ご審議いただいております。今年3月末には、審議会から基本構想案の答申をいただく予定となっており、パブリック・コメント等を実施した後、議会にご提案申し上げたいと考えております。

(2)コミュニティ構想の推進
 第2には、新たに策定するコミュニティ構想の推進であります。
 近年の地方分権の進展やコミュニティを取り巻く環境の変化を背景に、大野城市のコミュニティのまちづくりにも、新たな展開が求められるようになってまいりました。
 多くの市民の意見を踏まえて策定している新しいコミュニティ構想は、市民と行政がお互いを対等なパートナーとして、地域課題の解決に取り組む「新たな自治の構築」を目標としています。また、市民に近いところで行われる決定ほど望ましいという、ニア・イズ・ベターの観点にたった「都市内分権の推進」をいま一つの目標としています。この新たな自治と分権という二つのしくみを、構想推進の両輪として一体的に進め“新しいコミュニティの姿”を実現しようとするものです。
 3月末に公表する予定の成案に沿って、これまで培ってきたコミュニティのまちづくりを、新たなセカンドステージへと力強く進めてまいります。

(3)行政評価制度のさらなる充実
 第3には、行財政改革の中核的な取り組みとして進めている、行政評価システムのさらなる充実です。
 これまでもフルコスト計算書診断による事務事業評価や、実施計画事業の部局マネジメント方式などの新たな手法を取り入れ、行政評価制度の充実に努めてまいりました。
新年度は、大野城市独自の経営システムとして取り組んでいる、「公共サービスDOCK(ドック)事業」による四つの診断を本格的に機能させ、市民に見えるかたちでの行政評価制度として充実してまいります。

(4)窓口サービスの再構築
 第4には、市役所窓口サービスの再構築であります。
 市民に上質な行政サービスを、最適かつ効率的に提供することを目的に、これまで「週末窓口サービス」と「市役所コールセンター」の本格運用を開始することができました。
 平成20年5月には、窓口サービス再構築の仕上げとして、市役所1階窓口をワンストップ化した、総合窓口「まどかフロア」を開設します。これによって、市民の皆さんの窓口手続きの手間を軽減し、分かりやすい市民本位の窓口サービスの提供が実現できるものと考えております。

(5)各種プランの推進
 第5には、これまでに策定した各種プランの実効ある推進であります。
 大野城市の未来を担う子どもたちを、家庭、学校、地域、行政が一体となって見守り、育てていこうという「夢とみらいの子どもプラン」、また、“食で育む からだ・心・地域の輪”を理念として食育活動を推進する「食育推進計画」、さらに、男女がともに個性と能力を発揮できるまちをつくる「男女共同参画基本計画後期実施計画」を策定しました。いずれもパブリック・コメントを経て、今年度内に公表する予定です。新年度からは、これらプランにもとづく施策や事業を、それぞれの実践すべき場において着実に推進し、プランの実効性を担保してまいります。

新年度の主要施策 

 続きまして、これまで申し述べました重点施策に加えて、新年度に取り組む主要な施策につきまして、四つのまちづくりテーマに沿って、その概要を申し上げます。

■■ ご利益のあるコミュニティ都市を目指して、市民こそ主人公 ■■

 まず、最初のテーマであります「ご利益のあるコミュニティ都市を目指して、市民こそ主人公」に基づく施策について申し上げます。

 初めに「市民生活のしおり」の発行であります。今回、発行する市民生活のしおりは、従来とは違い、官民協働の手法を活用し、市の財政負担を伴わない形で、本年6月に発行いたします。行政情報の他、地域情報や防災情報など日常生活で利便性の高い情報を幅広く掲載し、平成20・21年度の二ヵ年保存版として活用いただけるよう、事業所を含む市内全世帯に配布いたします。

 次に、子どもの頃から、人との交流をとおして、様々な文化にふれることは、豊かな感性や想像力を育む上で、重要なことだと私は考えております。そこで、昨年12月に行った沖縄県浦添市の子どもたちとの文化交流を一つの契機として、文化活動を行っている市内の子ども団体の組織化を広く進めるとともに、地域間の交流で文化活動の活性化をはかることを目的とした、「こども文化活動・交流推進事業」を実施いたします。

 また、本市の名前の由来でもある日本最古の山城“大野城”を市民共通の文化遺産として守り、活用することを目的として、古代の山城が所在する全国の人たちが集まって交流・連携する、「古代山城サミット」の開催に向けた取り組みに着手いたします。
 平成20年度は、各種団体等からなる実行委員会を設置し、具体的な取り組み内容の検討を行います。その上で、平成21年度には、「古代山城サミット」の開催にこぎつけ、史跡を活かしたまちづくりにつなげていきたいと考えております。

 次に、すべての人にやさしい社会の実現をめざす取り組みについてであります。
 高齢社会の進展や坂道などの地理的な要因を背景にして、現在、「高齢者移動支援モデル事業」を南ヶ丘2区、平野台両区で実施しております。このモデル事業の結果を検証した上で、地域との協働という役割分担に応じ、必要な支援を実施してまいります。
 また、障がいをお持ちの方の社会参加の促進やユニバーサルデザイン、すなわち、年齢や障がいの有無などにかかわらず、できるだけ多くの人が利用できるよう配慮したまちづくりの推進をはかる観点から、これまで、年次的に公共施設における「オストメイト対応トイレ」の整備を進めています。新年度は、北コミュニティセンター及び南・中央の両デイサービスセンターに設置いたします。
 さらに、先般、県教育委員会から発表されました「県立特別支援学校の整備に関する計画」で福岡都市圏南部と箇所づけがなされました、「新設特別支援学校(仮称)」につきましては、筑紫地区誘致に向けて、4市1町連携を取りながら、県に対しさらに働きかけをして参ります。

 また、コミュニティセンター、まどかぴあ、総合公園など市内の主要公共施設をネットワークで結び、自宅からでもインターネットをとおして、空き情報や利用予約が可能となる「公共施設予約システム」を構築します。11月からテスト運用を開始し、平成21年度から本格実施予定です。

 この他、昨年から本格実施に移行した「週末窓口サービス」や「市役所コールセンター」については、利用者ニーズ等を検証しながら、サービスのさらなる充実と向上に努めてまいります。

■■ 自治体仕事宣言、実力、サービス、No.1自治体が目標 ■■

 次に、二つ目のテーマ「自治体仕事宣言、実力、サービス、No.1自治体が目標」についてであります。

 初めに、少子化時代に対応した子育て支援と、健やかな子どもと家族を育む施策について申し上げます。
 まず、「乳幼児医療制度の拡充」であります。子育て世代の医療費負担を軽減する目的で実施している乳幼児の医療費助成の内、通院にかかる医療費の助成対象を、現在、4歳到達月までとしているものを、1歳拡大し、5歳到達月までに延長します。
 なお、福岡県が、今年10月から、乳幼児の医療費助成の内、通院にかかる分の対象年齢を、現行の3歳未満から就学前まで引き上げる方針を明らかにしております。本市としましては、県が実施する助成制度の内容等を十分見極めたうえで、必要な対応を行ってまいりたいと考えております。
 また、出産後の母親の負担軽減と、赤ちゃんの健やかな育ちを支援する「赤ちゃんホームヘルプサービス」についても、本市特有の育児支援サービスとして、様々な機会を利用して積極的なPRを行い、サービス利用者の拡大に努めます。

 次に、市民が健康に生活するための医療制度についてであります。
 国の医療制度改革により、平成20年度から、新たに75歳以上の高齢者を対象とした「後期高齢者医療制度」がスタートいたします。この後期高齢者医療制度につきましては、県下の全市町村が参加した福岡県後期高齢者医療広域連合が、その業務にあたりますが、この広域連合との十分な連携をはかりながら、制度対象者に混乱等が生じないよう円滑な運用に努めてまいります。
 併せて、今回の後期高齢者医療制度では、はり・きゅうの施術を受けた場合の助成制度がないことから、本市独自の後期高齢者保健事業として、「はり・きゅう費助成事業」を新たに開始します。
また、40歳以上、75歳未満の国民健康保険加入者の方を対象に、生活習慣病やメタボリックシンドローム等の健診と生活習慣等の改善指導を行う、「特定健康診査」と「特定保健指導」を実施いたします。

 次に、「新人事制度」についてであります。
 この制度の目的は、人を活かす、トータルな人事制度をいかにつくるかであろうと考えています。現在、係長以上の職員を対象に試行を行っている、「人事評価制度」を、新年度からは、評価対象を全職員に拡大して試行します。今後の試行をとおして、制度の問題点等を整理した上で、現在、見直しを進めている「人材育成基本方針」と一体となった総合的な人事制度の構築を進めます。

 この他、住民税の制度改正に伴っての経過措置等、「市民への周知事業」を行うとともに、「嘱託徴収員」や「電話催告業務」においても民間のノウハウを効率的に活用し、市税の公平負担の確保と徴収率の向上をはかります。

■■ 仕組みを変えて、次代に備える ■■

 続いて、三つ目のテーマである「仕組みを変えて、次代に備える」についてであります。

 初めに、安全・安心のまちづくりについて、説明いたします。
 現在、四つのコミュニティでは、市民により組織された防犯パトロール隊の皆さんに、青色回転灯装備の防犯パトロールカーを活用して、地域での子どもたちの見守りや、犯罪防止活動の一翼を担っていただいております。この市民をパートナーとした地域防犯活動は、これからのまちづくりにおける、先導的な取り組みです。今後も、市民と行政のパートナーシップにより、「地域の自主防犯活動を支援」し、安全で安心できる住みよい地域づくりに取り組んで参ります。

 次に、ごみの排出量抑制とリサイクルを両立した、資源循環型社会の形成に向けての取り組みであります。
 ごみの減量化や再資源化を推進する目的で、新たに「ごみ減量対策事業」に取り組みます。この事業は、古紙等の集団回収の奨励と事業所から排出される紙ごみの資源化を重点目標として取り組むものです。
 また、事業者に対し、ごみ問題や環境問題への社会的責任について啓発する目的で、市の指定ごみ袋に有料で広告掲載を行う「ごみ袋広告掲載事業」にも取り組みます。
この他にも、新年度からの新たな取り組みとして、小学校や市民を対象にダンボールコンポストを活用した堆肥づくりをPRし、ごみの減量とリサイクルの重要性を啓発する「ダンボールコンポスト普及事業」を実施します。
 また、高齢者のみの世帯など、自力で粗大ごみの搬出が困難な家庭を対象にした「高齢者等世帯粗大ごみ搬出サービス事業」も開始いたします。

 次に、IT環境の抜本的な改善をめざして進めております、共通基盤による「基幹系システムのオープン化」につきましては、システムエンジニアの増員による推進体制の強化をはかります。
 また、システムオープン化の取り組みとして、福祉分野の情報の共有化と効率的な業務運営を行うため「総合福祉システムの構築」を進めます。この総合福祉システムは、ワンストップ化の第2段であります。国が推奨している「地域情報プラットフォーム」に準拠したものであり、市役所と民間等の外部機関とを結ぶ「電子市役所構想」を前提に、福岡県と連携して取り組んでまいります。
 さらに、セキュリティ機能の向上とトータルコスト削減の両立をめざして導入を進めている「シンクライアントシステム」につきましても、引き続き計画的に進捗をはかってまいります。

 次に、地産地消と食育運動の取り組みについてであります。
 福岡空港騒音対策として、買い上げが行われている国有地の無償貸与を受け、農園としての整備を行う「食育推進国有地整備事業」を、財団法人空港環境整備協会の助成を受けて実施いたします。整備後の活用につきましては、農業女性団体等の協力を得て、安全・安心で新鮮な農産物の生産と学校給食等への提供を行う予定です。
 また、地産地消の促進や都市型農業の振興を目的に、JA筑紫を主体として計画されている農産物直売所の建設に対し、積極的に支援を行ってまいります。

 続きまして、市民共有の財産である文化財の保存と活用について、申し上げます。
 大野城市には、西暦665年築城の日本最古の山城“大野城”を始めとして、特別史跡“水城跡”など多くの文化的資産が存在します。この、貴重な文化財を保存し、整備し、そして活かすために、現在「ふるさと文化財保存整備活用計画」の策定を進めており、新年度内には完了し、公表する予定です。
 山城“大野城”は、2015年(平成27年)には、築城1350年という節目の年を迎えます。貴重な文化財を守り、後世に引き継ぐことは、今を生きる私たちの責務だと考えているところです。

 このテーマの最後になりますが、将来の道州制導入を見据えて、望ましい基礎自治体のあり方について、昨年から調査・研究を進めている「2016(にいまるいちろく)まちのかたち研究プロジェクト」についてですが、今年8月の報告取りまとめに向けて、引き続き研究を進めます。

■■ 社会資本の充実と活用をはかる ■■

 四つ目のテーマ「社会資本の充実と活用をはかる」に関する施策について、説明いたします。
 私は、日々の生活がより便利で、より快適であることは、住む場所を選択する上において、大切な要素だと考えます。市民の皆さんが“住み続けたいと思えるまち”、また、“喜んで住んでいただけるまち”にするためにも、住環境をより快適なものとして整備し、まちに活力を生み出すことが必要であるとの考えで、都市基盤等、社会資本の充実を進めてまいります。

 まず、公共施設の安全性確保について、申し上げます。
 地震など、いつ発生するか予測できない事態に備え、公共施設の十分な耐震性を確保するとともに、緊急時に市民が迅速かつ的確な行動がとれる体制を整えておくことは、被害を最小限に止めるためにも、重要なことだと考えております。
 そのため、地域の避難所でもある小・中学校の校舎や屋内運動場及び公民館について、計画的に「耐震診断」や「耐震補強工事」を実施いたします。
 また、大野北保育所につきましても、「耐震診断」を実施し、入所児童の安全確保に努めてまいります。

 次に、公園整備について、説明いたします。
 公園は、日常生活における、ゆとり空間であるとともに、災害時には避難所等として防災機能を発揮するなど、私たちの生活に欠くことのできない施設です。
 新年度は、「中心市街地における公園整備事業」として、下大利中央公園及び白木原親水公園の新設と白木原東公園の再整備を完了し、年度内に供用を開始いたします。
 また、市民とのワークショップで進める、親しまれる公園づくりにつきましては、「公園再整備のすすめ事業」として、大野2号公園の再整備を進めます。併せて、公園出入り口のバリアフリー化等の改修も計画的に行ってまいります。

 次に、地域間のネットワークを形成し、市民の生活や産業などを支える、道路の整備について、説明いたします。
 地域交通網の骨格をなす路線であり、交通混雑の解消に向け、重要な役割をはたす「広域幹線道路の整備」につきましては、引き続き、那珂川宇美線、現人橋乙金線の整備促進をはかります。
 また、市内各地域間の円滑な移動を確保する目的で整備を進めている下大利南ヶ丘線、白木原下大利線、平野南ヶ丘線などの市内幹線道路につきましても、年次計画に基づき整備を進めてまいります。
 さらに、これからは高齢社会に対応した、安全で安心な生活空間の形成が、ますます重要になると考えております。すべての人が安心して快適に通行できるよう、「道路のバリアフリー化」と、「街路灯、防犯灯の整備」を併せて進めます。

 健全な市街地の形成をめざす、土地区画整理事業につきましては、平成13年から取り組んでまいりました「上大利北土地区画整理事業」が、本年12月に事業完了する予定です。
 また、「下大利駅東土地区画整理事業」につきましては、西鉄天神大牟田線連続立体交差事業の進捗等も見ながら、早期の完了に向けて、引き続き取り組んでまいります。
 さらに、「乙金第二土地区画整理事業」につきましては、地区内を縦断する現人橋乙金線の整備と一体となった街並みづくりをはかりながら、計画に沿って進めてまいります

 市民生活のライフラインのひとつである水道事業につきましては、計画的に「配水管等の新設・改良」を行い、安全で良質な水を安定的に市民に供給するとともに、漏水防止対策を強化し、配水の実態と収入の比率である有収率の向上にも努めてまいります。
 また、水道事業につきましては、これまで外部委託の推進など業務の効率化に取り組んできたところですが、さらに、施設面、財政面、広域化等、多角的な観点から分析・研究を行い「抜本的な経営効率化策」の検討を進めます。
 下水道事業につきましては、引き続き「汚水管・雨水管の計画的な整備・改修」を進めるとともに、集中豪雨等での河川への雨水の流出を抑制する「雨水流出抑制施設整備事業」にも取り組みます。

 以上、平成20年度の主要な施策の概要を申し上げました。

予算の概要

 続きまして、これら諸施策を実施してまいります新年度予算につきまして、編成にあたっての基本的な考え方とその概要を、説明申し上げます。

 最初に、新年度予算編成の基本的な考え方についてであります。
 まず、政策的経費では、第13次実施計画において、各部局の経営方針に基づき、効果的かつ主体的に事業を組み立てる「部局マネジメント方式」を基本に、限られた財源を有効に活用する「一般財源のシーリング方式」を加え、事業の選択と予算の集中をはかった編成としました。
 また、経常経費につきましても、各部課に財源を配分する「枠配分方式」を引き続き実施し、行政評価システムであるフルコスト計算書の診断結果との連携によるスクラップ・アンド・ビルドを行い、「経営のスリム化」に努めた予算編成となっております。

 続きまして、平成20年度当初予算の概要を、説明いたします。
 歳入の基幹である市税においては、個人住民税が前年とほぼ同額、法人市民税、固定資産税につきましては、企業収益の回復傾向や新築住宅の建築などで3億円程度の増となる見込みです。しかしながら、住民基本台帳人口における年齢別構成をみると、生産年齢人口は減少し、65歳以上の高齢者の割合が増加している状況であり、今後、個人所得の大幅な伸びは期待できないところです。
 次に、地方交付税につきましては、国の平成20年度地方財政計画において、地方に配分される出口ベースで、5年ぶりの増額となっております。しかしながら、本市の新年度における地方交付税は、基準財政需用額の減少や市税収入の伸びなどにより、対前年度比較で2億円程度の減となる見込みです。
 歳出では、医療、介護、福祉等の社会保障制度の改正が進むことで、扶助費の占める割合が年々増加し、一般財源を圧迫してきています。そのため、実施計画事業などの政策的経費のうち投資的経費については、基金に依存する状況となっています。

 続きまして、平成20年度の各会計の予算規模について、申し上げます。
 始めに一般会計は、275億3,100万円で、マイナス5.7%、16億5,100万円の減であります。
特別会計は,国民健康保険特別会計を始めとして6会計で総額132億3,658万円、マイナス26.4%、47億4,100万円の減となっております。
 公営企業会計は,総額71億145万円、マイナス4.1%、3億309万円の減となっております。
 各会計の予算を合計いたしますと、478億6,903万円で、マイナス12.3%、66億9,510万円の減となっております。
 先に市政運営の基本姿勢の中で申し上げましたとおり、「選択と集中」、「先手・先取の対応」を基本とした財政運営を進めることで、活力あるまちづくりと財政の健全性の両立を図ってまいりますが、国の財政健全化を優先した施策如何では、予断を許さない厳しい状況が続くことになります。
 現在、前倒しして策定を進めている、第5次総合計画において、やるべきこと、やらなければならないことを明確にし、将来を見据えた行財政運営に努めてまいります。

むすび

 以上、平成20年度の市政運営についての私の所信の一端と、新年度における主要施策及び予算の概要を申し上げました。

 平成19年度は、市制施行35周年の記念の年でありましたが、この節目の年は、これまでの本市の取り組みが、多方面にわたり全国的に評価された特別の年となりました。この結果は、先人達の英知と努力が大きく実を結んだものであり、私たちは、その実から、さらに新しい芽をふかせ、花を咲かせるために、もう一段の努力を重ね、この故郷を将来の世代に引き継ぐ義務と責任があります。
 そのために私は、次の“五(ご)省(せい)”をこころに刻み、職員とともに日々の精進を重ねてまいる所存です。

一、至誠(しせい)に悖(もと)る勿(な)かりしか
一、言行に恥づる勿かりしか
一、気力に缺(か)くる勿かりしか
一、努力に憾(うら)み勿かりしか
一、不精に亘(わた)る勿かりしか

 昨年(平成19年)、大野城、大宰府政庁、水城などを含めたエリアは、日本らしい風情をかもし出している地域として、「美しい日本の歴史的風土100選」に選ばれました。これからも、この美しく、悠久の歴史を刻んできた“ふるさと おおのじょう”を、市民とともに創り、輝かせ、新たなセカンドステージへと力強く進めるとともに、心やすらかに暮らすことができる“オーダーメイドによるまちづくり”に職員総がかりで取り組んでまいります。
 ここに、議員各位を始め、市民の皆様のご理解とご支援を改めてお願い申し上げ、私の施政方針とさせていただきます。
                                          (平成20年2月27日)

 

※平成20年度施政方針は、下記からダウンロードできます。

○平成20年度施政方針(PDF:437KB)Adoberogo.jpg

問い合わせ先 

 自治経営課企画調整・周年事業担当
 電話 092-580-1805
 ファクス 092-573-7791
 メールアドレス jks@city.onojo.fukuoka.jp
 場所 市役所 本館3階〔〒816-8510 大野城市曙町二丁目2-1



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