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施政方針(平成23年度)

平成23年度の施政方針が発表されました。

 井本市長平成23年度施政方針 「経済一辺倒の成長ではなく“成熟”を新たなキーワードとして、大野城市らしい市民生活の質の向上を新たな豊かさの目標とした市政運営の実践躬行(きゅうこう)に努め、市民の負託に応えるまちづくりを実現していく。」

 市議会3月定例会で、井本市長が平成23年度の施政方針を発表しました。施政方針とは、市長が新年度の市政運営の基本姿勢および重点施策などについて考え方を述べるものです。

 

1 はじめに ~時代認識~

○政府には、切れ目ない、実効性のある経済対策に取り組むとともに、社会の閉塞感を打破し、国民の持てる力を最大限に引き出す社会へと変革するための“確かなビジョン”を示し、すばやく実行に移すことを、強く求めたい。
○昨年6月に、国の出先機関の原則廃止、地方が自由に使える一括交付金の導入などを盛り込んだ、「地域主権戦略大綱」が決定されたものの、「地域主権改革関連3法案」は継続審議となるなど、真の分権型社会実現への道程(みちのり)は、まだまだ遠いと言わざるを得ない。
○大綱では、明治以来の中央集権体質からの脱却と、国と地方が対等の立場で対話のできる“新たなパートナーシップの関係”への転換を進めていくという理念を掲げている。
○この実現には、地方の意見を最大限反映しながら、大綱の理念に即した改革を、確実かつ迅速に進めるという確固たる意志と、政治の強いリーダーシップが不可欠となる。引き続き、市長会などあらゆる機会を通して、国に強く働きかけていきたいと考えている。
○大野城市としても、地域主権改革により拡大する自治権を効果的に活用しながら、「パートナーシップのまちづくり」を柱とする自治体ガバナンスを確立し、地域主権時代に相応しい自治体経営の実現に、全力で取り組んでいく覚悟である。

2 市政運営の基軸

 新たな年度に臨み、現下の社会情勢を踏まえながらも、大野城市の強い財政の下で、「将来のために、今なすべき政策は、思い切って打つ」という信念で、新たな市政運営に取り組んでいく。

(1) 無縁社会から結縁・絆の社会へ ~お互い様の心の大切さ~
 少子高齢化、情報化、さらには、消費社会化の進展や、個人主義の広がりなどの社会環境の変化は、古くからの良き風習として日本人が持っていた“お互い様”という心の豊かさを見失ったかのように見える。
 人が人を支える社会のセーフティーネットが機能不全に陥り、誰もが孤立無援になり得る現況は、誰しも望むものではない。大野城市でも災害時要援護者制度の仕組みづくりや、番茶の会、(新)すこやかエンゼルサポート事業など、人の支え合いで絆を深める活動を、地域の皆さんの協力も得ながら取り組んでいる。これらの取り組みをさらに充実させ、積極的に推進することで、普段から近所で声を掛け合い、助け合うことの大切さを認識し、「困ったときは、お互い様」と誰もが言える“結縁・絆の社会”の再構築を目指したい。

(2) 新しいコミュニティのかたち ~つながり広がる市民の輪~
 大野城市では、“つながる市民力、活かす職員力”をテーマに、新たなコミュニティのかたちづくりに取り組んでいる。自助・共助・公助によるコミュニティの組織づくりも進んでおり、いよいよ「造った仏に魂を入れる」段階へと進んでいく。
 これからの段階で重要なのは、新しい仕組みの中で生み出される“市民の輪や、市民のつながり”を、如何に大きく、しっかりとしたものにできるかであり、それが、目標達成の可否を握るポイントになると考えている。
 そのためにも、まちづくりの主役である市民の顔がはっきりと見え、「自分たちのまちは自分たちでつくる。」という意識を持った市民の主体的な関わりが一層促進される“コミュニティのかたち”の実現に向けて取り組んでいく。

(3) ふるさと意識の醸成 ~古代山城サミットを契機として~
 昨年、ふるさとの宝であり市民共有の財産でもある「日本最古の山城 大野城」をテーマに、第1回古代山城サミットを本市で開催した。その中で行われた大野小学校6年生の発表は、今でも強く記憶に残っている。「大野城をふるさとのシンボルとして、守り・伝えていこう。」という熱い想いは、満席の会場の市民一人一人の心に確かなメッセージとなって届けられた。
 これから大野城市は、平成24年の市制施行40周年を皮切りに、水城築堤1350年、大野城築城1350年と、歴史の節目を迎える。これを好機として捉え、市民の心に、また、かつて大野城市民であった人にも、共通の“ふるさと意識”を醸(かも)しだし、引いては、心のよりどころとしての“ふるさと大野城”が次世代まで継承されるよう、足掛かりとなる事業を進めていきたいと考えている。

(4) 安全・快適な暮らしを支える都市機能の向上
 都市基盤の整備は、市民生活の安全や利便性、快適性を確保することはもとより、憩いや潤いといった“都市の魅力づくり”に直結している。今後も、長期的な視点からのまちづくりも視野に入れながら、事業の優先度を見極めた効果的な投資による都市機能の向上をはかっていく。
 特に近年、大型化した台風やゲリラ豪雨などによる浸水被害が発生しており、総合的な雨水浸水対策に取り組むなど、安全で災害に強いまちづくりを進める。
 また、市民生活や産業活動の基盤となる幹線道路、生活道路の計画的な整備も確実に推進をはかり、快適な市民生活を支える都市環境を形成していく。併せて、土地区画整理事業の進捗をはかり、周辺の既成市街地と有機的な結合をはかることにより、良好な市街地形成の促進にも努めていく。

3 主要な施策・事業

(1) リーディング・プラン

≪コミュニティ元気プロジェクト ~パートナーシップで躍動するまち~≫
○新しいコミュニティのかたち推進事業として、コミュニティ構想の具現化や、市民とのパートナーシップによるコミュニティづくりの推進のための事業を実施する。
○都市内分権をテーマとした施策として、市民に身近な行政機能の確立のため、各コミュニティセンターに地域行政センターを設置するとともに、官民連携・共働のまちづくりの拠点として、地域のまちづくりを主体的に担っていただく、コミュニティ協議会への交付金事業などを実施する。

≪ひと・まちいきいきプロジェクト ~多彩な個性が輝くまち~≫
○活かされる多彩な市民力をテーマとした施策として、高齢者の学習機会の充実と生きがいづくりを目的に、「高齢者が創り、学び、教える大学」を基本理念とした、大野城市シニア大学「山城塾」を開講する。
○生きる力を育てる教育をテーマとした施策として、地域に開かれ、地域に支えられるコミュニティスクールを目指して、学校運営協議会制度の研究に取り組んでいる。新年度においては、平成22年度から、大野小学校、下大利小学校の2校で実施しているモデル事業の問題点、課題等の検証を行い、全校設置に向けての準備を進めていく。

≪くらしやすらぎプロジェクト ~安心して快適に暮らせるまち~≫
○健康づくりと福祉の充実をテーマとした施策として、安全で安心な子どもの居場所づくりのため、地域や学校と連携し、放課後子ども教室モデル事業を実施してきたが、平成23年度は、これまでの事業の検証結果を踏まえ、実施箇所を拡充し、本格実施へ移行する。また、今年1月に試行を開始した「福祉サービス案内コーナー」の本格実施に向けた検証を進め、総合窓口におけるワンストップサービスと併せて、質の高い窓口サービスの提供に努めていく。
○生活環境の安全・安心をテーマとした施策として、災害警戒情報、緊急地震速報、その他、国民保護に関する情報などを瞬時に市民の皆様に提供するため、災害情報伝達システムの整備を行う。
○活力あるまちづくりと健全財政の両立をテーマとした施策について、公園再整備のすすめ事業として、公園利用者の皆さんのご意見に基づき、アイデアワークショップや市民公開審査会を経て、瑞穂公園の再整備を行う。また、本市独自の統合型行政評価システムである、公共サービスDOCK(ドック)事業については、これまでの財務、業務プロセス、市民満足度という三つの視点に、人材育成と活用の視点を加えた見直しを行い、第二期市役所DOCK(ドック)として取り組む。この取り組みを通して、大量退職期を迎え、持続可能な組織への変革の必要性に迫られている中で、創意に満ちた、より効率的な行政運営の確立を目指していく。

(2) 分野別プラン

≪心豊かな人と文化を育むまち(教育・文化分野)≫
○外部からの不審者や緊急時の対策のため、小・中学校への防犯カメラの設置を、平成23・24年度の2カ年で進めていく。
○経年劣化が著しい小学校の屋外遊具についても、児童や市民の皆さんが安心して利用できるよう、計画的に取替を進めていく。

≪幸せな暮らしをともに支えるまち(健康・福祉分野)≫
○保育所入所待機児童の解消に向けて、既存保育所の分園整備による入所定員の増員を進めるとともに、留守家庭児童保育所の老朽化・過密化に対応するため、平野小学校区留守家庭児童保育所の増築、バリアフリー化工事を実施する。
○平成23年3月から、子宮頸がん予防・ヒブ・小児用肺炎球菌の各ワクチンの接種を、公費負担により実施する。
○市民を対象に実施している、がん検診の検査項目に、前立腺がん検診(PSA検査)を新たに加え、疾病の早期発見・早期予防をはかる。

≪安心でやすらぎのあるまち(環境・安全分野)≫
○規範意識やマナー意識の向上を目的とした、さわやかマナーアップ運動について、平成22年度に実施した市民アンケートや今後予定しているコミュニティ別勉強会を踏まえ、「(仮称)大野城市マナーアップ条例」を制定し、市民との共働により運動を展開していく。
○(仮称)福岡都市圏南部最終処分場について、平成22年7月に地元区との間で、最終処分場の設置に関する協定を締結した。今後、平成28年度稼動に向け、地元区との緊密な連携をはかりながら、周辺地域の環境整備などに取り組んでいく。

≪自然と共生する便利で快適なまち(都市・建設分野)≫
○現在、「都市計画マスタープラン」について、都市基盤整備事業の進捗状況や社会情勢などの変化に対応した見直しを進めており、平成23年度早期の策定に向けて、引き続き取り組んでいく。

4 予算編成

 国の予算編成について、昨年末に取りまとめられた平成23年度政府予算案では、予算総額92兆4,116億円と過去最大となっている。内容を見ると、歳入における公債依存度は約48%に達し、税収を上回るという危機的な財政状況にあり、今後、いかに安定財源を確保し、財政規律を保っていくのか、政府においては、政策の方針転換も含め、早急な対応が求められる。
 本市の財政については、市税収入の伸びや地方交付税の増加が見込めるものの、生活保護費などの扶助費や国民健康保険などの給付費の増加が見込まれるなど、楽観できる状況とはなっていない。新年度の予算編成にあたっては、将来に負担を先送りしない財政規律を堅持しながら、「効率的で、市民満足度の高いサービスの実現」と「成果重視の行政の推進」を念頭に、限られた財源とはいえ、効果的に配分する予算としている。
 具体的には、本市独自の行政評価システムである「公共サービスDOCK(ドック)事業」や、実施計画での部局マネジメントなどを通して、緊急性、投資効果などを十分に検討した上で、第5次総合計画前期基本計画をはじめとする、三つの「未来のまちづくりプロジェクト(M-プロジェクト)」に基づく施策・事業の計画的な推進をはかっている。
 世界同時不況以降、我が国経済は、急激な円高の影響などで回復の足取りが弱く、特に地方では、雇用や個人所得、税収など様々な面で厳しい状況にある。このように、国・地方の区別なく、厳しい財政状況であるからこそ、市民からお預かりした貴重な税金を無駄にすることのないよう、引き続き「選択と集中」、「先手(せんて)・先取(せんしゅ)の対応」を基本に、堅実さと果敢さのバランスがとれた財政運営に努めていく。

5 結び ~成長から成熟へ~

 内閣府が発表した国内総生産(GDP)の速報値によると、日本の2010年暦年の名目GDPが中国を下回り、日本が1968年から守り続けていた、経済規模世界2位の座を43年ぶりに明け渡すことが確定した。戦後の日本は、経済大国として再生を果たしたが、一方では、過剰とも言える市場主義経済は、勝ち組・負け組という言葉で表されるような多くの格差をもたらし、豊かなのに幸せを実感できない社会を生み出したとも言える。
 今こそ、これまでの経済一辺倒の成長ではなく、“成熟”を新たなキーワードとして、所得という視点のみならず、大野城市らしい保健・福祉や教育など市民生活の質の向上を、新たな豊かさの目標とすべきだと考える。大野城市9万6千市民の、福祉の向上を希求する市政運営においても、このことを強く胸に刻みながら、実践躬行(きゅうこう)に努め、市民の負託に応えるまちづくりを実現していきたい。

(平成23年2月21日)

※平成23年度施政方針の全文は、下記ファイルで見ることができます。

○平成23年度施政方針Adoberogo.jpg(PDF;347KB )

問い合わせ先

 自治経営課企画調整・周年事業担当
 電話 092-580-1805
 ファクス 092-573-7791
 メールアドレス jks@city.onojo.fukuoka.jp
 場所 市役所 本館3階〔〒816-8510 大野城市曙町二丁目2-1



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