大野城歳時記/10月の行事「平野神社宮座お注連打ち」
更新日:2018年5月14日
平野神社
平野神社は牛頸にある大野城市内で最も古い神社です。伝承では正暦(しょうりゃく)年中(990から994)に創建されたと伝えられています。
大野城市に所在する平野神社は京都にある平野神社から勧請(かんじょう)されたものです。京都にある平野神社には、今木神(いまきのかみ)、久度神(くどのかみ)、古開神(ふるあきのかみ)、比売神(ひめがみ)が祀られています。
今木は古くから住んでいる人に対する新しく来た人、すなわち渡来系の神の意であり、久度は窯(かまど)の神(大野城市でもかまどのことをくどと言う)、古開は使い古した使用済みの窯の神であり、比売神はあとから合祀された桓武天皇の生母高野新笠と言われています。
牛頸の平野神社には比売神が合祀されていないので、御神座は今木神、久度神、古開神の三座です。
宮座
平野神社の宮座は、宮中と伊勢神宮で行われている神嘗祭(かんなめさい)という祭礼が起源となっています。神嘗祭とはその年に取れた新穀を天照大神(あまてらすおおみかみ)に奉る儀式です。
10月17日に執り行われていることから、平野神社の宮座も10月1日にお注連打ち、16日に餅つき、17日に献撰の儀(けんせんのぎ)、18日に撤撰の儀(てっせんのぎ)を行っていました。しかし、構成員の日程の都合が付かないことから、日にちを決めずに、土日に行うようになりました。
これから、お注連打ちついて紹介します。餅つき、献撰の儀、撤撰の儀は別途紹介します。
お注連打ち
平成19年10月7日(日曜日)午前8時30分から、平野神社にてお注連打ちが行われました。その年の当番がお注連打ちに必要な道具や藁を運び込み、注連縄つくりが始まります。新しく懸けなおす注連縄は拝殿・幡立石・忠魂碑・厳島社です。約4時間かけてお注連打ちが終わりました。
お注連打ち準備
縄綯(な)い (厳島社に掲げるもの)
縄綯い(しめ子をつくりながら)(本殿に掲げるもの)
紙垂(して)作り
紙垂を差し込んでいるところ
新しい注連縄をかけた本殿
新しい注連縄をかけた幡立石
新しい注連縄をかけた忠魂碑
新しい注連縄をかけた厳島社
直会(なおらい)
直会とは、神様に捧げた神饌(しんせん)を食し、神様と供食するという考え方です。
注連縄を新しく懸けなおした後、当番は幡立石の下に折敷に乗った食事を置き神様に捧げます。その後、直会が始まります。
このときの食事は酢の物・煮しめ・卵焼き・かまぼこ・漬物といったものです。
直会の前に神様に拝礼
直会の様子
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