平成21年8月のふれあい歴史体験は、『ガリ版印刷をしよう』でした。
みなさん「ガリ版印刷」を知っていますか。ヤスリ台の上でロウ原紙に文字や絵を刻んで原版を作り、謄写版(とうしゃばん)を使って印刷することです。
今回の参加者は、ガリ版印刷の初体験者だったので、作業に苦戦する部分もありましたが、手作りの温かみのある作品が出来上がりました。
展示の様子
▲体験するところ
▲展示風景
ガリ版印刷のできるまで
ロウ原紙に描く技術だけでなく、ローラーの使い方にも技術が必要であることなどを体験しました。
▲(1)ヤスリ台の上にロウ原紙を置き、
その紙に鉄筆で文字や絵を書きます。
▲(2)書き終わったら、ロウ原紙を謄写版本体の
フタの裏側に取り付け、下に紙をひきます。
▲(3)インクをつけたローラーをフタの上で
転がすと、下の紙に文字がうつります。
▲(4)ローラーで隙間なく転がしたら、
完成です。フタを開けて紙を取り、乾燥させます。
参加者の感想
【おとな】
◆しっかり線が出ないところ、濃くなるところのムラがとてもいい味を出していますね。
◆小学生のとき、テスト用紙や配布物はガリ版で印刷され、先生に学級新聞を作る手伝いをしたことがあります。
◆ガリ版を体験したくて、子ども達と来室しました。初めて触りました。力を入れすぎると破いてしまいそうで、こわいです。体験できるのは貴重ですね。
◆ローラーでの印刷作業が考えていたよりも、大変でした。【子ども】
◆自分の書いた字や文が出てくるから、すごくうれしい。
◆破かずに書くのって難しいけど、ガリガリって書く感触が楽しい。
◆(出来上がりを見て)機械で印刷したみたいにきれい。
◆インクが薄かったり、はみ出たようになったり、今の印刷みたいにならない。自分で印刷するので、同じようには出来上がらないから、おもしろい。
◆ローラーをゴロゴロするのが、楽しい。何を書くか悩んで書いたけど、こんな風に印刷されるなら、もっと書けば良かった。
参加者の作品
体験した参加者(子ども)の作品の一部を紹介します。
ガリ版印刷の歴史
明治時代はじめごろ(1880年代)の印刷機械は、使う人々の高い技術を必要とし、一回の印刷につき2~3枚、多くても50枚しかできない、とても効率の悪いものでした。そのため、堀井新治郎・耕造親子は、事務仕事の進み具合を良くする研究を本格的にするため仕事をやめ、簡単に使える「孔版(こうはん)印刷」という印刷技術の開発にのりだしました。
明治27(1894)年、「戸籍謄本(こせきとうほん)」から連想した『謄写版(とうしゃばん)』という名前の国産第一号機が完成します。紙に描く時にガリガリと音がすることから『ガリ版』の愛称で広く親しまれ、言論や表現が自由になった第二次大戦後、ガリ版を使った印刷物を誰もが目にするようになります。
しかし、昭和28(1953)年になると、タイプライターを使って文字の型紙(かたがみ)をつくり謄写版で印刷する「タイプ孔版(活字孔版)印刷」があらわれました。ガリ版よりも原紙の耐久性が高く、印刷方法が簡単だったため、タイプ孔版は急速に広まります。昭和40年代後半頃から、ガリ版印刷を目にする機会が減りました。しかし、海を渡り、海外で『トウシャバン』として親しまれ、日本国内でも、手の温かみが伝わる印刷機として、愛好家に好まれている道具です。
現在の印刷技術・方法
版(原紙)の違いによって、「凸版(とっぱん)印刷」・「孔版(こうはん)印刷」などの四つの印刷方法に分けられますが、今回、この二つの印刷方法を紹介します。
凸版印刷 … 活版(かっぱん)印刷・活字(かつじ)印刷と言われるもの。
凸凹をつけた版の凸部分にインクをつけて、紙に転写する方法。版は左右逆につくられています。木版画やゴム版画、印鑑(いんかん)などが、この原理をつかったものです。
![]()
▲スタンプ判子(左)と、スタンプされた図柄(右)孔版印刷 … ガリ版印刷・タイプ孔版印刷と言われるもの。
版自体に孔をあけて、上からインクを通すことで、紙に転写する方法。版は左右逆にはなりません。家庭用年賀状ミニ印刷機やスクリーン印刷などは、この原理を応用したものです。
▲ロウ原紙に描いた絵(左)と、印刷された絵(右)
さらに興味を持った人は、『大野城市歴史資料展示室 解説シート民俗NO.16 民具2(ガリ版印刷)』も見てください。
問い合わせ先
電話 092-580-1918
ファクス 092-573-7791
メールアドレス furusato@city.onojo.fukuoka.jp
場所 市役所 新館3階〔〒816-8510 大野城市曙町二丁目2-1〕











